静寂と雅が交わる場所──エクシブ京都八瀬離宮で味わう“日本美の休日”


キャプション:比叡山の麓、八瀬の自然に抱かれるエクシブ京都八瀬離宮。四季の彩りが迎えてくれる。

京都市左京区・八瀬。
比叡山の麓に広がるこの地は、古くから「癒しと静寂の郷」として知られてきました。
その自然の中に佇むのが、エクシブ京都八瀬離宮
和の美とモダン建築が融合した空間は、まさに“現代の離宮”と呼ぶにふさわしいリゾートです。

今回は、実際に滞在して感じた「空気・光・静けさ」の魅力を中心に、
チェックインからチェックアウトまでの流れでご紹介します。


1. 八瀬に着いた瞬間から、時がゆるむ


キャプション:緑に包まれた石畳。風の音とともに、京都の“静”へと導かれていく。

市街地の喧騒を抜け、八瀬の山道を登るにつれ、空気が変わるのがわかります。
鳥の声が近くなり、木々の間を渡る風がやわらかく頬をなでる。
その先に見えてくるのが、荘厳でありながら洗練された佇まいのエクシブ京都八瀬離宮。

車を降りた瞬間、周囲の音が吸い込まれるように静まり、
“ここから別世界が始まる”という感覚に包まれます。

エントランスホールに入ると、石と木を組み合わせた設えが目を引きます。
京都らしい控えめな華やかさと、リゾートらしい開放感が見事に共存。
スタッフの丁寧な所作にも「おもてなしの京都」を感じます。


2. ロビーラウンジ──自然と建築が呼応する静寂空間


キャプション:ガラス越しに映る水面と苔庭。光のゆらぎが心を整えてくれる。

ロビーに入ると、まず目に飛び込むのが水盤越しに広がる庭園
その景色はまるで一枚の日本画。
苔むした石、季節ごとに色を変える木々、水面に映る空の色──
すべてが計算され尽くした静寂のデザインです。

時間帯によって表情が変わるのも魅力で、朝は柔らかく、夕方は金色に輝き、夜はライトアップが幻想的。
ラウンジのソファに腰を下ろして、抹茶やほうじ茶をいただきながら眺めていると、
自然と深呼吸が増えていくのを感じます。


3. 客室──“余白”の美が息づく、現代の和モダン


キャプション:障子越しの光と畳の香り。京都らしい静けさが宿る客室。

客室の扉を開けた瞬間に感じるのは、「余白の美」。
無駄を削ぎ落としたデザインの中に、畳や障子、木のぬくもりが息づいています。
壁には控えめな和紙照明が灯り、柔らかな陰影が空間を包みます。

テラス付きの客室からは、八瀬の山々と庭園を一望。
朝は霧がかかり、夜は虫の音が響く──まさに“自然がBGM”の贅沢。

ベッドは低めの造りで、寝転ぶとちょうど窓の外に緑が広がります。
テレビを消して、ただ光と風を感じながら過ごす時間が、最高のリラクゼーションでした。


4. 温泉──山の静けさと湯のぬくもりに包まれて


キャプション:竹林に囲まれた露天風呂。お湯の音だけが響く贅沢な時間。

エクシブ京都八瀬離宮の温泉は、比叡山の地下から湧く天然温泉
泉質は弱アルカリ性で肌あたりが柔らかく、湯上がりはしっとりとしています。

露天風呂は竹林に囲まれ、風が葉を揺らす音が心地よい。
夜には月明かりが湯面に反射し、幻想的な雰囲気に包まれます。
湯船に浸かりながら見上げる星空──まさに“静けさの極み”。

湯上がり処には畳敷きの休憩スペースもあり、
京都の銘茶を飲みながらゆったりとクールダウンできます。


5. ダイニング──京の旬を五感で味わう


キャプション:京野菜と旬魚を使った懐石。器にも季節の移ろいが映る。

夕食は、京都の食文化を凝縮した懐石料理が断然おすすめ。
旬の京野菜や鱧(はも)、湯葉、丹波牛など、京都の恵みが繊細に表現されています。
味はもちろん、器や盛り付けの美しさも圧巻。
一皿ごとに季節を感じる芸術です。

特に印象的だったのは、「八瀬の湧水で炊いた銀シャリ」と「季節の椀物」。
透明感のある出汁の香りが立ちのぼり、心まで満たされるようでした。

朝食も和定食が人気で、湯豆腐やだし巻き玉子、炊きたてのご飯が身体に優しく染み渡ります。
朝の光を浴びながらいただく食事は、心身ともにリセットできる時間です。


6. 散歩と周辺観光──“京都の静”を歩く


キャプション:紅葉に包まれる叡山電鉄の八瀬比叡山口駅。秋の京都を象徴する一枚。

朝食後は、ホテルの庭園や近隣の散歩がおすすめ。
春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色──季節ごとに異なる美しさがあります。

徒歩圏内の「瑠璃光院」は特に必見。
磨かれた床に映る紅葉や新緑のリフレクションが有名で、京都を代表する絶景スポットです。
また、叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」から乗るロープウェイで比叡山頂へ登れば、京都市街と琵琶湖を一望できます。

ホテルの敷地内にも小径が多く、朝の散歩だけで十分に“京都の静けさ”を体感できます。


7. まとめ──“何もない”が、最上の贅沢


キャプション:夕刻、灯りがともる八瀬離宮。静寂が一層深まる瞬間。

エクシブ京都八瀬離宮は、派手な演出はありません。
ただ、光・風・音・香りのすべてが繊細に設計され、
「何もしないこと」がこの上なく豊かに感じられる場所です。

夜、灯りを落としたロビーで水盤を眺めていると、
風が通り抜け、波紋が広がる。その静けさが心をほどいていきます。

京都らしい雅(みやび)と、リゾートの快適さ。
その両方を体験できる“現代の離宮”──それが、エクシブ京都八瀬離宮です。

忙しさの中で“静けさ”を忘れた人にこそ訪れてほしい。
ここでは、時が止まるのではなく、“時がゆるやかに流れる”のです。